掲載日:2019-08-24
「社会的擁護の現状と今後」学習会のまとめ 岡田尚子
6/23(日) あいアイ館において、定期総会と学習会。
学習会では「社会的擁護の現状と今後」と題して、区内児童養護施設職員の青木貴志さんにお話を伺いました。
「養護施設」というとタイガーマスクが育った「孤児院」を思い浮かべる世代の方もいるでしょうが、現在は「虐待や養育者の疾患、離婚など」が多く、「親はいるのに一緒に暮らせない子ども」を保護しています。
入所児童の保護者の状況は「単親」「低学歴」「低所得」そして「社会的孤立」が特徴的です。面談すると「生活に疲れて、つい子どもに手をあげてしまった」「身近に相談する人がいなかった」と、子育てしている親なら誰しも経験するようなことから話されます。
子どもの虐待に関してのニュースが毎日のように流れていますが、その背景に何があるのかは掘り起こすことはありません。
・様々な理由で保護者と暮らせない子ども達のこと。
・子どもを虐待してしまう親も追い込まれている社会の実情。
・養護施設を出た後の子どもの受け皿がないこと。そういったことも取り上げてほしいです。
「面会日」に子どもに会いに来る親もいるし、親元に帰りたい子どももいて、「施設でがんばって将来は自立しよう」という気持ちの子が少ない感じもします。18才になり施設を出てからの受け皿がなく、うらみを持ち犯罪に走る残念なケースもあります。
また「児童相談所」や「児童福祉士」の対応も問題視されますが、人手不足であることが最大の問題点です。児童相談所などの職員は公務員で、「制度や対応方法」を覚えたら異動とか、異動してきたばかりで詳しく知らないで対処が遅れるケースもあります。子どもを守るためには、職員増と人材育成が不可欠です。
「児童相談所」は各都道府県におかれていますが、地域によって規模や地理的状況に応じて複数の児童相談所(窓口)を設置しています。きめ細かく子どもの様子を知るため、学校等とも連携を図っています。子どもはなるべく親元で育てようと考え、問題のある家庭には訪問して様子をみます。緊急を要する場合は、その子どもが生活している圏内にある施設で預かるようにしています。しかしどこの施設も満杯で、個々の対応がむずかしい現状です。
「できる限り良好な家庭的な養育環境の提供」を目指しているので、「里親」に預け一般の家庭で育つようにもしているし、民間団体が「子どもを養育する機関」を創設したりしています。しかし一般の方たちが普段から協力しあい、社会全体で子どもを守る気持ちで暮らすことが一番大切です!
身近な子どもの異変を感じたら「189」に電話すれば、児童相談所につながります。通報者のプライバシーは守られますから、「お節介をして逆恨みされるのではないか」と、あれこれ心配せず、まず状況を伝えて下さい。
自分自身が子育てに追い詰められた時も「189」に相談して下さい。
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